引越しレスキュー

引っ越しの方法、手続き、体験談、見積り

震災の中、引っ越しをしてくれた業者さん

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娘が京都の大学に合格。

普通ならめでたいことですが、居住していたのが仙台市でしたから、引っ越しは大変です。親の心(フトコロ)子知らず、とはよく言ったものです。おりしも、この年の3月11日、東日本大震災にみまわれ、仙台の我が家ももちろん被災。東北はむろんのこと、関東あたりまでは、大学も気を使って、入学式を延期するなどの配慮がありましたが、被災地からは遠い京都は、正直「他人事」で、入学式も予定通り、とのことでした。

ここで困ったのが、娘の引っ越しです。

引っ越し業者さんは、あらかじめ手配していたものの、なにしろ、震災では新幹線も高速道路も寸断されましたから。現地の居住地を手配できません。業者さんにも、目的地は「京都市内」ということだけで、具体的な住所は2週間前までに連絡する約束になっておりました。が。当時、東北自動車道は完全に寸断され、復旧の見通しすらたっていませんでした。最初に選んでいた業者さんは、丁重に断ってきてしまいました。無理もなからぬところです。娘は大学生ですから。家族単位と違って、たいした荷物があるわけではありません。しかし、現地でそろえられる物は、ぜんぶ新規購入することにしても、たとえばパソコンとか、衣料品であるとか、どうしたって「身ひとつで」というわけにはいきません。そもそもが、借りるアパートを見に行けない。なにしろ、交通が寸断されているわけですから。(この時は東名高速も通行止め)

ガソリンがない中

ようやく東北道が復旧したのが3月22日。しかし、今度はガソリンがありません。どこの引っ越し業者に連絡しても、ただでさえ繁忙期ですから。色よい返事は望めませんでした。そんな中、ビジネス上でも取引のあったY社のみ、「なんとかします」という返事。どんなにありがたかったことか!もちろん、「引っ越し先を明示する」必要はあるわけです。ただし、京都市内であれば、どこであってもほぼ料金は変わらない、とのことでした。さすがに800キロありますから。

料金は・・・これがたったの4万円。いわゆる単身便にしたのです。残りは総て現地調達。
ひとり暮らしならではですね。家族ぐるみなら、こうはいきません。そんな料金でありながらも、仙台の運び出しから、京都での搬入まで、実に親切なものでした。なにより、引っ越し先の住所が決まったのが、たったの4日前でしたから。事情を承知しているとは言え、復旧途中の高速道路は波打ったまま。燃料も手に入らない中で、よく運んでくれたものと、今でも感心します。

そんな娘も大学を無事卒業。

荷物は比較にならないほど増えましたが、また同じ会社の単身便を複数で使いました。ひょっとすると、まとめて運んでくれる業者の方が安かったかも知れませんが、そこは「気は心」というものでしょう。